2022年10/13(水)朝方にショパンコンクール2次予選の結果が発表されました。
2次予選が終わり、10/14~16に行われる3次予選に進出する23名が選ばれましたね。
日本からは進藤実優さん、反田恭平さん、角野隼斗さん、古海行子さん、小林愛実さんお5名が3次予選に進出することになりました。
3次予選進出メンバーに優勝候補とされていた牛田智大さんの名前がないことに驚かれた方も多いですよね。
納得いかない!なぜ落選なの!とネットでは話題になっていました。
期待されていた牛田さんですが敗退の理由は何なのでしょうか。
ご本人のコメントと合わせて調査してまとめてみました。
2位入賞された反田さんについても別記事でまとめていますので合わせてご覧くださいね♪

落選に批判の声が殺到している
今回の2次予選の結果に対してネット上では納得がいかないと批判の声が多数あがっています。
辻井くんのときも、異例の4回のカーテンコールだったにもかかわらず落選していたことがあります。
運営サイドに苦情の電話が殺到して、異例の批評賞を受賞したという過去もあることから声をあげることは意味があるかもしれません。
ショパンコンクール2次予選、牛田智大さんが落選したのが信じられない。素晴らしい演奏だったのに。審査委員と自分の好みがかなり違うことがわかったので、もうショパンコンクール観るのやめます。
Lang Langみたいにぶっ飛んだ演奏とかだったらコンテストで評価されないかも知れないって思うけど、牛田君はThe正統派で技術も高いのに…なんで落選なんだ…ショパンが喜ぶ演奏してると思うんだけど。
正統派という言葉が似合う牛田さんの敗退が信じられないとショックを受けている人がたくさんいました。
コンクールにおいては高評価であろう完璧な演奏をする牛田さんがまさかの敗退ということでなぜ敗退なのか納得いかないと思われている方が多く散見されています。
今季のショパンコンクールを細々と観ている。あの牛田智大氏が2次落選。必ずしも「完璧」な演奏が人の心を動かすわけでは無いと言う事は重々承知だけど、どう聴いても2次で落とされる演奏には思えない。参加予定だったアルゲリッチが審査員にいても同じ結果だっただろうか、と不毛な事を考えてしまう
— サトウシンゴ(Shingo Sato) (@shingo_kb) October 13, 2021
毎夜深夜3時過ぎまでショパンコンクールに釘付けの日々。。
— 黒田由樹 (@yuki_kuroda) October 13, 2021
その中でも牛田智大さんの演奏は何度聴いても涙止まらずリピートしまくって朝4時まで起きていた日も。。
そして今朝 牛田智大さんが2次で敗退と知って信じらずに落ち込む。。これがコンクール。。。
起きたらショックすぎて🤯 牛田智大さん、なんで…涙 フツーに通過では?…ちょっと意味がわからない。会場での聞こえ方は全然違ったのか?? 思えば演奏終了後の会場の反応が薄かったので「は?💢」と思ってたんです🌀個人的にはフライングブラボーものだったのに。 #ショパンコンクール
— 長井進之介(ピアニスト・音楽ライター) (@Shinno1102) October 12, 2021
ホールの音響が影響していた!
3次予選に進出できなかったことを受け、本人が原因と思われる反省点を公式Twitterでアップしていました。
本文抜粋して転載させていただきます。
今回はなかなかホールの音響がつかめず、最大音量を見極められないままラウンドを終えてしまい、ダイナミクスの構成や音色の調整が狂ってしまいました。ホールの音響上自分の音量が足りていないのではと錯覚してしまい、不自然な力で芸術的でない飽和した響きを引き出してしまった瞬間がありました。
また、響かないホールで無理やり音量を出すために、バスや最も重要な音を少し遅らせることで倍音の効果でピアノが鳴っているように聞こえさせることができるのですが、これをホールの音響を探るうちに無意識に多用してしまっていたようです。(左右のズレは20世紀の典型的なテクニックではありますが現代ではあまりふさわしいとはいえません。もちろんポリフォニックな部分や旋律がレチタティーヴォ的になっている部分では声部ごとのイントネーションの違いから必然的なズレが生じるのは自然な範囲内であれば許容されるべきだとは思いますが)
計算違いが重なり想定していたものとはかなり違った音楽を提示する形になってしまいましたが、自分にとっては準備の過程のなかで作品についての勉強をたくさんさせていただけたことが、かけがえのない経験と財産となりました。
https://twitter.com/TomoharuUshida
上記のとおりご本人がTwitterで説明しているとおり、ホールでの音響がつかめなかったというのが一番大きい原因かと思われます。
響きがつかめずに音量が不自然な箇所があったようです。
アーカイブのYouTubeを見る限り、綺麗に聞こえますが実際にホールでは違ったように聴こえていたのかもしれません。
審査員が審査している以上、ホールにいる審査員にどう聴こえているかが審査基準になっているなか、実際には違和感のある聴こえ方だったのかもしれませんね。
ヤマハのピアノで演奏したから?スタンウェイならよかった?
一方で、敗退の原因はヤマハのピアノで演奏したからでは?なんて声もあがっているのです。
偏見もあるかもしれませんが、主流はスタインウェイでの演奏と言われているなか、牛田さんはヤマハのピアノを選びました。
牛田さんがショパンコンクール で使用しているピアノはYAMAHAのコンサートグランドCFXです。
敗退したことによってスタンウェイだったら通過していたのかもしれないなんてたらればを語られている人も見受けられました。
しかしながら、ヤマハのピアノも素敵な音色なのは周知のことであり、
牛田さんがショパンコンクールというここ一番というステージに自国である日本のピアノを選んだところにも好感が持てますよね。
ショパン国際ピアノコンクールですが、牛田智大さん、京増修史さんと、超絶な二人が三次予選に進めないという摩訶不思議なことが起きました。あの素晴らしい音色のヤマハのピアノの選択者に辛くあたる風潮なんでしょうか。解せません。
— たまごろう (@tamatamananoka) October 12, 2021
牛田智大さんの2次予選!好きだな〜〜
— むっちぇろ (@muccello) October 10, 2021
良かったなあ。目一杯ピアノを鳴らして。和音の分量の配分が好き。響きをしっかり聴かせてくれるのが好き。一つ一つの音の意味がこちらにも伝わる。あとヤマハってのもいいね!
ヤマハの技術者さんも喜んでるだろうな。
右手中指の爪が割れていた!?
ピアニストにとって指先や爪先はかなり繊細に影響されますよね。
2次予選の映像を見てみると、右手中指の爪がちょっとめくれてるのか割れているのが確認できます。
コンディションが完璧というワケではなかったのかもしれないですよね。
良く見れば…という程度ではあるのでそこまで影響しているようには見られないですが、心配の声があがっていました。
彼のプロ精神からしてみるとこの爪については言い訳にしないとは思いますが、もし怪我をされていたのであればお大事にしてほしいですよね。
まとめ
牛田さんのショパンコンクールは3次予選に進出はできなかったものの、演奏は息をのむ美しさでした。
配信を通じても伝わってくるYAMAHAを弾く澄んだ音色や落ち着きと安定感があり、複数の音符ショパンの心の移ろいに迫るような演奏はドラマティックで何度も聴きたくなりましたよね。
ご本人がTwitterで反省点を公表しているとおり、ホールでは音の響き方が異なります。そこを入念に確認して響き方に合わせた演奏、審査員にどのように聴こえるのかを考える必要があったのかもしれません。
進めなかったのは残念ではありますが牛田さんは今後も活躍が期待できる音楽家だと思います。
今後の活躍を応援していきたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。