オリンピック、パラリンピックでオリンピアンがメダルを獲得するとメダルを噛むパフォーマンスをするのを見たことありますよね。
表彰台で歓喜の表情を浮かべながらメダルを噛むシーンはお決まりのポーズとして何度も見たことがあるかと思います。
中にはメダルを噛んでくださいとカメラマンに指示されているアスリートもいますよね。
メダルを噛むのはなんでなの?噛む意味や理由は何なの?と疑問に思いますよね。
今回はメダルを獲得したアスリートがメダルを噛む理由について調査してみました。
金(ゴールド)硬さを本物か確かめるため
金メダルを噛むのって、もともと時代劇などで小判の真贋を確かめる(純金なら歯型がついたりメッキが剥がれたりする)のを真似たものなので、純銀に金メッキであることが明言されている五輪のメダルを噛む事にパフォーマンス以上の意味はない。 pic.twitter.com/vHa8kgtbRG
— 三崎律日@『奇書の世界史2』発売中! (@i_kaseki) August 4, 2021
純金は柔らかい
今から100年以上前の1900年頃の古い慣習となりますが、コインの取引業者が金貨が本物かどうかを確かめるために、歯でグッと噛んで確かめていたのです。
日本においても同様で小判が本物かどうかを確認する手段として噛んでいたと言われています。
金は他の金属より柔らかく、傷がつきやすいという特徴があります。
金銀銅で言えばこの順番がそのまま柔らかい順番になっていますので銅メダルが一番硬いメダルなんです。
金は他の金属よりも柔らかいという特徴があるので噛むと歯型が残るんです。
そのような古い慣習から、金を確かめるという意味で噛むという名残があるのかもしれません。
オリンピックのメダルは純金ではない
しかしながら、現在のオリンピックのメダル、および金メダルは純金ではないんです。
1912年のストックホルム大会までは純金でできていました。
それから最後に純金ではなくなり、IOC(国際オリンピック委員会)ではメダルについてルールを制定しました。
金メダルはスターリングシルバー(銀含有率92.5%)と呼ばれる銀合金に最低でも6gの純金メッキを施す
銀メダルはスターリングシルバー
銅メダルは97%が銅、0.5%が錫(スズ)、2.5&が亜鉛の合金
という上記のルールのもと制作されているんです。
そして2021年開催の東京2020オリンピックのメダルは携帯電話などのリサイクル金属でできていると公式に発表されています。
メディアや報道陣を満足させるため
報道カメラマンのリクエストとして噛むポーズをしているという説もあります。
2012年にCNN取材に応じた国際オリンピック歴史学会のデービッド・ワレチンスキー理事は「おそらくメディアを満足させるためにメダルを噛んでいる」と答えていました。
そして以下のように指摘をしています。
「カメラマンの強迫観念となっていて、カメラマンたちは、おそらく売れるとして、名物シーンとみなしていると思う。多分選手たちが自らの意志でやっていることだとは思わない」
ちなみにメダルを噛むというメディアパフォーマンスが広く日本に認知されたのは、シドニー五輪の時の高橋尚子の金メダルの時以降っぽいね
— 真価社通信時代🍑🍎 (@WBOATS_end) August 4, 2021
五輪のメダル獲得選手がメディアから「メダル噛んで」と指示されて断った、という記事も何度か見かけたことがあるけど、どうやらここ20年くらいのお話のようだ pic.twitter.com/auYqLYsvzW
確かにメダルかみのポーズは歓喜の象徴として、新聞の1面をよく飾っていますよね。
カメラマンからしてみると、メダリストの表情とメダルが近い距離に位置して「写真映え」する構図になっているとされています。
また、メダルを噛むと自然と口角が上がって笑顔になるので明るい表情が引き出しやすいといった事情もあるのかもしれませんね。
しかしながら金メダリストや多くの銀・銅メダリストがメダルをかむようにリクエストされ、結果的に選手を困惑させることもあるといいます。
実際に日本のアスリートではフィギュアスケートの荒川静香さんはメダルを噛むことをリクエストされましたが、メダルが傷つくのが嫌で拒否したというエピソードもあります。
さらには2010年、ドイツのリュージュ選手、デヴィッド・メラー (左)は、カメラマンのために銀メダルをかじり、前歯が欠けてしまったという危険なエピソードもありました。
勝利の味(メダルの味)を噛みしめるため
オリンピック史上初兄妹同日金メダル🥇
— 阿部一二三 (@hifumi110) July 28, 2021
兄妹のもう一つの夢である東京オリンピックで金メダルを取る事ができました
2人で切磋琢磨して成長する事で掴み取った金メダルだと感じています
沢山の方々の支え、応援があり兄妹で歴史を創る事ができました
これからも2人で新たな歴史を築きあげていきます! pic.twitter.com/tj1XlYab73
カメラマンのリクエストで選手の意思ではないと前述しましたが、
メダルへの愛情表現をするためにメダリスト選手が自らパフォーマンスするという説もあります。
勝利の象徴であるメダルを噛みしめることで喜びや愛情そして感謝の気持ちを表現するためと言われています。
2021年東京オリンピック2020では、金・銀・銅あわせて5,000個のメダルが作られているわけだが、携帯電話およそ621万台などの都市鉱山から作られたメダルの味をかみしめたいという選手の思いもあるかもしれませんね。
ちなみ惜しくもメダルを逃してしまった選手でも8位までには賞状が贈られます。
「〇〇位入賞!」とメディアで報道されていますが入賞することだけでも名誉なことなんですよ。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
最初にメダルを噛んだアスリートは誰?
以上のようにメダルを噛む理由や歴史的な由来は諸説ありますが、実際にメダルを最初に噛んだメダリストは誰なのか気になりませんか?
メダルを最初に噛んだのは、今から約30年ほど前に遡り、
1988年ソウル五輪水泳の男子200メートル自由形で金メダルを獲得した、オーストラリアのダンカン・ジョーズ・アームストロング選手だと言われています。
「勝利ガリガリ」という見出しで新聞に報じられ、金メダルを噛む写真が新聞に掲載されていました。
ちなみに日本人で一番最初にメダルを噛んだのは1996年アトランタ五輪柔道の中村兼三選手と言われています。
まとめ
オリンピックでメダリストがメダルを噛む理由について調査してまとめました。
メダルを噛む理由は諸説ありますが、純金素材でできているのか確かめるために噛むという歴史的な慣習が由来とされていたり、写真映えするためにカメラマンからのリクエストに応じているという理由もありました。
単純にメダルへの愛情表現のために勝利を噛みしめるかのようにメダルを噛むとも言われています。
カメラマンのリクエストに仕方なく応じているというネガティブな報道もありますが、選手が喜びを自由に表現できるのが一番かもしれませんね。
メダル獲得は並大抵の努力ではできないことなので選手の功績を全力で称えたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。